土壌が植物や動物の病気を治す・ハワードの研究(1919年)
土壌が植物や動物の病気を治す・ハワードの研究(1919年)
理事 岩瀬行弘
最近、日本最大の肉牛生産地宮崎県で起きている、牛や豚の口蹄病について、その原因を追究することなく、ただウイルスに感染させないための対処をしていますが、消毒、殺菌、それだけで拡大は防げるのでしょうか。ウイルスは薬をまくと、ウイルスはそれに対抗し、ますます強固になるでしょう。また、鳥や他の動物の移動を防ぐことは出来ないでしょう。
大正時代に次のような論文が英国の細菌学者によって出されています。
細菌学者で農業講師であったアルバート・ハワードは駆除剤とか化学肥料を全く使わず、入念に堆積された動物の老廃物(堆肥)を土壌に戻してやるインド人のやり方に従って、健康な作物を栽培する方法を学んだ。
ハワードが更にびっくりしたことは、彼が使っていたインド農業の力の単位である役牛の群れに彼の肥沃な土地から取れた産物だけをやっておくと、牛が口蹄病や牛疫(発熱と腸粘膜障害を起こす猛烈な伝染病)や敗血症、それに他の現代的試験場の家畜群をしばしば襲う牛の病気にも決して罹らなかったことである。
彼はこう書いている「私の動物は隔離を要したものもなければ、予防接種されたものもいなかった。
私は私の牛が口蹄病の牛と鼻をこすり合わせているのを幾度か見た事がある。それでも何も起こらなかった。
栄養十分の健康な牛がこの病気に反応しないのは、まさに適当な種類数の作物が適切に栽培された場合、これらの作物が、虫害や菌性の疫病に反応しないのと同じで、いかなる伝染病も起こらなかったのである。私はこの論文に接したとき、EM自然農法が広く普及していたなら十数万頭に上る廃棄処分はなかっただろうと考えると胸が痛みます。
現在、口蹄病にかかるような免疫の低い牛が殆どではないでしょうか、其の免疫の低い肉を食べたら人間も免疫が低下するでしょう。そうして人間もウイルスにかかるはずです。
一日も早い安全安心な有機農法に切り替える事を望まずにはいられません。
参考文献
Howard,Sir Alert,and Yeshwant,D、Wad.The Waste Products of Agriculture ; Their Utiliztion Humus lonndonn and New York;Oxford Uniiversity Press, 1931