口蹄疫の恐怖にさらされて! 懸命に家畜を守る
口蹄疫の恐怖にさらされて! 懸命に家畜を守る
宮崎県えびの市 えびのE M 研究会 松窪 ミツエ
えびのEM研究会は発足7年目になる(現在会員54名) 。7月に開催される「全国一斉E
Mで海・河川の浄化」に参加するためにEM団子1000個の準備はできた。そんな中、4 月28日突然、口蹄疫の恐怖に襲われた。当市にも4例、672 頭( 牛、352頭・豚320頭)の被害が出ている。日々胸の奥から突き上げてくる、不安の拡大と、沈静化への祈り。市内は、消石灰が撒かれ、今の季節に雪が降ったような異常な光景が眼に痛い。
当会の会員の内9名は畜産農家である。生産牛160頭・肥育牛200頭の多頭経営者もいる。
U – ネット通信・2008年7月号で紹介された池田菊憲さんは、生産・肥育牛160頭の経営者、6月には20頭の子牛が生まれるというが、しかし、分娩時には獣医が来る見通しはない。牛舎が足らなくなる、どうすればよいのか途方にくれる。
帝王切開した牛の治療にも獣医は来られない、抜糸や傷の手当はすべて自分でしている。牛舎の消毒は1 日3 回、活性液を屋根、天井、床、敷地、牛舎前の市道に散布している。
牛の健康チェックと同じく毎日欠かせない作業。子牛の3日前の糞を見せてもらった。池田さんはその糞を見て「うん!」とうなずいた、糞には菌がきれいに花を咲かせている。発酵をしているのである。
EM1号、2号、3号を調合しEM・Ⅹゴールドも使用している。EMスーパーセラCは年間3袋使用する。餌はEM活性液で育てた自前物、足りなくなった同会員にも提供している。牛舎から50 メートル先に黄色く実った麦が五月の風に揺れていた。底をつきそうになった餌ももうすぐ補えると語ってくれた。EM資材が不足する中、「地球環境・共生ネットワーク」事務局と研究会顧問講師よりE M資材救援物資が届き、池田さんをはじめ畜産農家( EM 会員)の皆さんの支えになり、非常に喜ばれ、感謝の言葉が聞かれた。今はただ、手抜きなく家畜の健康管理に精一杯努めて、電話で情報交換しあい、励ましあっている。
しかし、見えないウイルスへの恐怖は2 4時間つきまとう。「疲れた」と池田さんの一言が胸を刺す。終息宣言を待つのみの、この悲惨な状況は、書きつくせない。
畜舎からは今日も、「元気か」「きばっど!」「調子はよかか?」と家畜に掛ける声が聞こえる。しかし、一番恐れている5例目が出れば当市のすべての家畜は殺処分となる可能性が
強い。当市の基幹産業である畜産は、壊滅、崩壊の危機に瀕している。