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「好きな音楽」に血管拡張の作用(米研究者が報告)

「好きな音楽」に血管拡張の作用(米研究者が報告)

好きな音楽を聴いて楽しい気分になっている時、私たちの体内ではどんな変化が起きているのか。米メリーランド大医療センターで循環器医学を研究するマイク・ミラー博士によれば、血管が拡張し、血液の流れがよくなる効果が確認された。
ミラー博士らは、高機能の画像機器を使い、音楽を聴いている人の血管の変化を調べた。同博士によれば、本人の好きな曲がかかると「血管の内壁が弛緩して血液が通りやすくなり、心臓を保護する作用のある化学物質も分泌される」ことが分かった。
 ただ、それほど好きでない曲になるとこの効果はみられず、血管は収縮し始めた。また、たとえ好きな曲でも何度も繰り返して聞くうちに、効果が薄れる傾向も明らかになったという。
 血管は慢性的なストレスなどで硬くなり、その結果高血圧や心臓発作、脳卒中のリスクが高まることが知られている。ストレスには免疫力を低下させたり、老化を速めたりする影響もあるとされる。
 それでは逆に、楽しい気分で過ごすことで血管などを健康に保つ方法もあるのではないか。ミラー博士はそう考え、まず「笑い」の効果を研究した。その結果、コメディー映画を見て笑うことにより血管が拡張することが分かった。博士らはこれに続くテーマとして、音楽を選んだという。音楽でストレスや痛みを和らげる「音楽療法」は、すでに多くの病院で取り入れられている。米スタンフォード大の最近の研究では、うつ病と診断された高齢者らが音楽療法士の訪問で自信を取り戻し、症状が改善した例が報告された。
 ミラー博士は「音楽のリラックス効果で老化を遅らせることもできるはず」と、今後の研究に意欲を示している。
(理事 萩原 俊昭)

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