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「EMとはシリーズ」―(4) 理事 萩原 俊昭

「EMとはシリーズ」―(4) 理事 萩原 俊昭

EM-1号が出された当時、EMの考え方は微生物に対する一般常識とかけ離れていた。「性質の全く異なる複数の微生物がひと液の中に生存している」と説明するが誰にも信じてもらえなかった。
講演会などで苦し紛れに喩え話として、「警察と泥棒、左翼と右翼など性質の違う人が部屋の中で同居している」ようなもので、微生物が生存の危機に陥った時、「呉越同舟」という言葉があるとおり、「微生物同士が争いを止めて生き残るために力を合わる」と説明したが参加者から笑われてしまいました。
ところが喩え話が現実のものになりました。平成7年1月17日早朝に突然発生した「阪神淡路大震災」は死者6402名、不明3名、負傷者43.792名を出す大惨事でした。
その時、神戸港湾で荷役の仕事をしていた山口組の人達が最も早く現場にかけつけて被災された住民に「おにぎり」を配るなど警察と力を合わせて住民の救済に当たりました。 更に、革新系の人が多くて、自衛隊と防災訓練をしたことが無かった兵庫県は自衛隊の出動依頼をするなど危機に際し、右も左もなく自分たちの命を守るため無条件で助け合いをしたのでした。
EM-1号の特徴は、酸素を好む好気性菌と酸素を嫌う嫌気性菌、光を好む菌と暗い環境を好む菌、温度の高い環境を好む菌と低温を好む菌、炭素(C)をエサにする菌と窒素(N)をエサにする菌というように、全く相反する性質の菌(微生物)がひと液の中で生存していて、使用期限が1年間という長期間であります。
EM-1号は微生物の生存に必要な酸素とエサが無い密封された容器で生存が可能なのでしょうか。
この点、比嘉先生は酸素の必要ない嫌気性菌である光合成細菌は光と温度をエネルギー源にして光合成を行い、酸素と微生物のエサを作り出す。その酸素とエサを利用して好気性菌は無酸素状態と嫌気性菌のエサを作り出す。その無酸素状態に嫌気性菌の生きる場ができる。すなわち、「エサと酸素をお互いにやり取りして、好気性菌と嫌気性菌が助け合って長期間生存する場を作り出す」というものです。

※下の写真はEM研究所の光学顕微鏡で見たEM-1のミクロフローラ

乳酸菌と酵母(X400倍)
乳酸菌と酵母(X1.000倍)

嫌気性菌と好気性菌が同居できるかについて、東京大学農学部で根粒バクテリア研究に従事した渡辺巌氏は昭和45年11月出版「農業の土壌微生物」(農文協)の中で“好気性菌と嫌気性菌が共存できる条件”との項目で共存の実態を説明している。

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