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酸化ストレスと健康(その7) 活性酸素を減らす食品2 (会員 新札幌恵愛会病院医師 宮口勝行)

酸化ストレスと健康(その7) 活性酸素を減らす食品2 (会員 新札幌恵愛会病院医師 宮口勝行)

活性酸素を減らす食品
3) 緑黄色野菜
ニンジン・トマト・ニラ・ピーマンなどさまざまな野菜や果物には約50種類のカロチンが含まれています。カロチンは植物の色素成分としての働きと紫外線や活性酸素の害から植物を守る働きをしています。カロチンを人体に摂取すると、植物中にあったときと同じ働きを私たちの体内でも発揮してくれます。カロチンは脂溶性なので脂と一緒にとるとよく吸収されます。
*脂溶性なので酸化されやすい不飽和脂肪酸のサビ止めにうってつけです。体内年齢を若くしてくれます。
*β-カロチン・α-カロチン:抗酸化作用に加え、皮膚の老化防止にも役立ちます。
*リコピン:トマトやスイカに多く含まれ、カロチンの中でも特に強い抗酸化力をもち、ガンの発生を抑える物質として期待されています。

4)ビタミンE
活性酸素にビタミンEのもっている電子を与えると活性酸素を無害化し老化を防いでくれます。ウナギ・アボカド・カボチャ・ピーナッツ等に多く含まれています。
*ビタミンEha脂分に溶ける性質を持ち、体内に吸収されると細胞膜や角膜等の脂質でできている生体膜の中に入り込みます。そこに入ってきた活性酸素にビタミンEは電子を提供して、自らが酸化されてしまいます。個の働きによって活性酸素が無害化され、生体膜の酸化も防ぐことが出来るのです。
ビタミンEno足りなくなった電子はビタミンCが補ってくれます。Eに電子を補い不安定になったビタミンCは体に何の害も与えることなくそのまま体外に排出されます。こうしてビタミンEは活性酸素を無害化し、細胞をいきいきとさせ、体の機能や肌の老化を予防してくれるのです。さらに血行をよくする働きで肩こり、冷え性、しもやけ、頭痛にも効果があり、更年期障害を改善することもできるのです。ビタミンEが若返りのビタミンと言われる由縁です。
*ビタミンEはビタミンAとともに作用して、排気ガスなどの環境汚染物質から肺を守る働きもあります。

次号に続きます。

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